ポイントはこちら
■ 光回線サービスとは
■ 光ファイバを敷設できる通信会社は限られる
■ アクセスラインとは
■ プロバイダーとは
光回線サービスとは
光回線サービスとは、「光ファイバー」を用いた「インターネット接続サービス」のことを言います。光の点滅を使って情報を高速かつ安定的に伝送することが可能です。
従来主流だった「ダイヤルアップ接続」「ISDN」「ADSL」は物理的にメタル線を用いたインターネット接続サービス。こちらは既にある固定電話用のメタル線を流用することができましたが、光回線サービスは新たに光ファイバー敷設しなおさなければなりません。
この物理的な光ファイバーケーブルを再敷設しなければならないことが重要なポイントです。
光ファイバーを敷設できる通信会社は限られる
光ファイバーを全国に敷設することはとてもお金がかかります。日本全国に電柱を設置、そこに光ファイバーを這わせます。さらにこれらのケーブルを収容するビルも必要。とても一般の企業では実現することはできません。提供できる会社は主に3つ。
NTT:正確にはNTT東日本、西日本。旧日本電電公社時代からの設備を継承し、これを利用して全国に光ファイバーを敷設しています。NTTといえども全国どんな場所でも光ファイバーを敷設できるわけではなく、需要が見込めず、収支の見通しの立たないエリアには光ファイバーを敷設することができません。
電力会社:電力会社はもともと電気を送電するための設備を持っています。これを流用して光ファイバーを敷設します。ただし、各電力会社はその管轄エリアは限られるため、1社で全国をカバーする会社はありません。
CATV:ケーブルテレビも自前の設備を流用して光ファイバーを敷設して提供しています。ただし、その提供エリアは極めて狭くローカルに閉じざるを得ません。
この他、鉄道、ガスといったインフラ系の会社が提供している場合もあります。共通するのはインフラ系の大規模な設備を保有している会社でなければ光回線サービスを提供することはできないという点です。
アクセスラインとは
青い線で囲まれた部分。最寄りの通信会社のビルからお家に伸びる光ファイバーケーブル区間を「アクセスライン」と呼びます。※ラストワンマイルとも呼ばれます。
このアクセスラインの構築に最もお金がかかり、提供できる会社が限られることから特別な区間とされています。
これを全国的に提供できるのはNTT1社(NTT東日本、NTT西日本)のみ。その市場シェアは65.5%(2020年3月 MM総研調べ)と圧倒的です。このため、NTT東日本とNTT西日本はNTT法によってその事業範囲が制限されています。
プロバイダーとは
「プロバイダー」とはインターネット接続事業者のことを言います。ここがややこしいところ。
光回線サービスは「プロバイダー + アクセスライン」と、その両方を組み合わせることによってインターネット接続が可能になります。どちらかのみではインターネットを利用することができません。
近年の光回線サービスは「プロバイダーとアクセスラインを一体提供」する形態が主流となりました。プロバイダーを営む事業者がアクセスラインを調達してセットで販売することができるようになったためです。
なぜこのように別れることになったのか。それは上記のNTT法が関係しています。
NTT法によりNTT東日本、NTT西日本はアクセスライン区間とそれを結ぶネットワークのみ提供することを許可され、インターネット接続機能は提供してはいけないと定められました。これにより日本ではNTT東日本、NTT西日本の光ファイバーを利用する際には別途プロバイダーと契約する必要性が生じました。
NTT東日本とNTT西日本の提供するサービスブランドが「フレッツ」そして「フレッツ光」。フレッツ光を直接契約する時には必ず別途プロバイダー契約が必須です。「〇〇+フレッツ光」という文言を見たことがある方も多いかと思いますが、これはこれまでお伝えしたNTT特有の事業によるものです。
一方、NTT以外の事業者にはこのような法律的な縛りはありません。「プロバイダーとアクセスラインを一体提供」する形態でサービス提供可能。プロバイダーと別途契約する必要がないのはこのためとなります。